似ているようで違う妖精達の世界に入り込んだ小学生の女の子の成長物語

妖精が見える小学生女の子、そして常に側にいる天真爛漫(すぎる?)妖精。
不登校で周囲と交じり合うのが苦手な主人公ですが、一人称視点で読者に見えてくるのは実はツッコミ要素多めの彼女の思考。彼女を通して見える世界は妖精、もしくはその縁ある物であふれていて、新鮮で面白く、でも少し妖しくてコワイ部分も垣間見える、そんな世界。
作中には、面倒見の良い悪魔や、理知的な鬼、あるいは人魚など様々な幻想的な存在が登場し、世界を拡げてくれます。
そんな世界と、その世界にある大きな流れに巻き込まれ、護られ、そして自身で立ち向かいながら、彼女が成長して行く、小さな女の子の物語です。

軽快な文章と、奥行きのある世界観から生まれたキーワード、そして本作のマスコット的存在の妖精、ルリの愛嬌ある(ありすぎる?)言動が、読者を引き込み、先を読ませてくれます。
対象が小学生とされているにしては凝った設定と世界観、大人でも十分楽しめる内容。

軽い気持ちで妖精の世界を覗いてみるのも、面白いと思います。

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