学ぶことは、どこかで何かと繋がっている。

 主人公は小学2年生のケンタ君。
 小生意気な感じと口の悪さが気になりますが、根は優しい子です。
 彼の近所には、ボサボサの白髪頭に、白いチョビ髭を生やしているおじいさんが住んでいます。どうやら最近になって引っ越してきたようなのですが、両親はケンタ君に「その人に近づかないように」と言い聞かせます。得体の知れない人が住み始めたので警戒していたのです。

 しかし、ケンタ君はある出来事をきっかけにおじいさんと話すようになります。するとおじいさんが只者ではないことが分かってきます。彼に疑問に思うことを尋ねると、雑草のことも、化石のことも、民族のことも、言語のことも教えてくれるのです。
 ケンタ君は興味のままにおじいさんと話をするようになり、だんだん親しくなっていくのですが……、果たしてどんな結末が待っているのでしょうか。

 私はこの作品を読んで、子どもの教育とはこうであると楽しいのではないかなと思いました。教育の理想を掲げるのは難しいですし、何が正しいということもないのかもしれませんが、子どもの興味があるものに対して、大人が寄り添い、時に共に考え、教えるということが、一番「学び」を楽しくさせてくれるのではないでしょうか。
 タイトルの問いも含めて、色々と考えながら読んでみてほしいです。

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