隣の神様はWeb小説家

憧れの人との、ドキドキする距離感。
主人公の深い思いがこちらにひしひしと伝わります。
美しい描写で心を爽やかにする物語、ぜひ、どうぞ！

物語も素敵だったのですが、文章もとても素晴らしく文句の付けようがない小説でした。
読むことで素敵な時間を過ごせました。本当にありがとうございました！

本作を通して、「青春」と一言で表現されるものが実に複雑で、含みのある色合いなのだと感じさせられました。
電車に乗っている速度や経過時間、車内の明るさなどに心理的な描写が投影されているようで、気持ちの変化を体感するような読み応えを感じました。

貴方の隣の知らない人も、誰かの神さまかもしれません。
気づかないところで繋がり、支える力となっている。
ごく身近なところにある温かみを感じずにはいられません。

また迎春への期待も掻き立ててくれる、素晴らしい作品でした。

あるweb小説に夢中になっている男性が、電車の中で偶然作者に遭遇するお話です。

「作品」と「作者の顔」が両方見えるようになると、実に様々な複雑な思いが生まれてくると思いますが……
この作品は男性主人公の心理がとても優しく温かく細やかで、こんな読者がいてくれたら素敵だなあ……と思いました。

さらに、一読者だった彼が一人の男性へと変わる出来事が起きます。
ここでも、どこまでも澄んだ、温かな視点が読者の心を温めてくれます。

とても素敵な出逢いの物語でした♡

　web小説を書く人、そして読む人にぜひ読んでほしい一作。

　社会人3年目の主人公「俺」は、ある日通勤電車で隣になった女性が大ファンのweb小説家・水無月杏理であることを知る。
　どんな運命の出逢い！　いや、世間ってせまっっっ！
　きっと読んだ誰もが「俺」のその後の独白や行動に激しく同意し、一緒に叫び出したくなってしまうに違いない。そう、きっとweb小説を書いたり読んだりした皆の多くが通った道を、彼もまた歩んできたからだ。

　そう、もしかしたら在るかもしれない、そんな奇跡の物語。

　神様はいた。確かに目の前に存在した。
　それは可憐で儚くて、手を伸ばせば届きそうな距離にいるのに、決して…続きを読む