世界は狭くて青い。そして、神さまだって弱かった。

本作を通して、「青春」と一言で表現されるものが実に複雑で、含みのある色合いなのだと感じさせられました。
電車に乗っている速度や経過時間、車内の明るさなどに心理的な描写が投影されているようで、気持ちの変化を体感するような読み応えを感じました。

貴方の隣の知らない人も、誰かの神さまかもしれません。
気づかないところで繋がり、支える力となっている。
ごく身近なところにある温かみを感じずにはいられません。

また迎春への期待も掻き立ててくれる、素晴らしい作品でした。

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