だぶん、沢山いると思う「才能の高い人々」周りの無理解や環境で、開花しなかった「才能」そんな淋しさや辛さを抱えながらも、人との出会いで幸せに転じさせる。そんな素敵な、少し淋しいお話です
感性をどう磨けば斯様に美しい文章を書くことができるのだろう。羨ましいと思う。ピアノの澄んだ響き、心の中を流れる水の音、そして星の声…心象音と現実音のポリフォニーに宇宙を共鳴させ、作者は、一奏のピアノ曲に悠久の物語を溶け込ませる。天才でありながら淋し気に暮らす夫を無言でいとおしむ妻の微笑みが堪らなく素敵だ。今宵もし空に雲無くば、何億劫年も隔たった七夕の宙(そら)に己の魂魄を浮遊させたいと思う。
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