戦時中から七十年の時を越えた青年の、数奇な運命。

時は昭和20年。海軍上等飛行兵曹としてお国のために戦っていた17歳の青年、秋次郎は、零戦に乗っていたところを謎の光に包まれる。
そして気がつけば彼は、七十数年の時を越えていたのです。

時を越えたと言っても、タイムスリップとは少し違います。秋次郎はこの時代の高校生、悠真の体に、魂が入り込んでしまったのです。
そこはもう戦時中の日本ではなく、平和そのもの。見たこともない道具がたくさんあり、元々いた日本とは文化もまるで違い、戸惑う秋次郎。
だけど一番頭を悩ませたのは、人間関係。自分は悠真ではないのに、両親や友達とどう接していけばいいのか。
迷い考える秋次郎ですけど、この時代で今まで知らなかった価値観。大切なものを学んでいって、友人達と絆を深めていく様子は、読んでいて心が暖かくなりました。

そして、秋次郎がこの世界に留まるか、それとも危険な戦争の時代に帰るのかも、大きな見所。
迷い悩んだ末に、秋次郎がどんな答えを出すのか。
二つの時代が交差する少し不思議なお話を、お楽しみください。

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