作中作の妙

劇中劇ならぬ作中作として、絵本が出てきますが、この使い方に妙味を感じました。
小説である以上絵は視覚的に表現できないわけですが、それゆえに自然とどんな絵かを想像します。
そうして「絵的想像」を喚起された状態で読み進めると、今度は登場人物である2人の情景も、より鮮明にビジュアル化されてきました。
プロップ(作中の主要テーマでもありますが)の使い方の旨さ、という点でも一読の価値があるのではないでしょうか?

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