王宮に渦巻く愛と欲望と陰謀、艶やかな極彩色に彩られた中華風ファンタジー

私は、物語に色を感じることがあります。
自分で拝読させていただいて、クオリティの高い作品にそう感じる傾向があります。
この作品に、赤をベースにした艶やかな色を感じました。

極彩色に彩られた王宮を舞台に、女たちの愛と欲望、そして張り巡らされた陰謀を描く中華風ファンタジーです。

作品説明に「世界観がガチガチに固められたなかでの本格派中華ファンタジー」とありますが、読むにあたって肩肘張る必要はまったくありません。それは言い換えれば『しっかりした世界観に基づく作品』と言えると思います。
逆に言えば、中華ファンタジーに興味のある方であれば、普段そのジャンルを読まれない初心者の方であっても安心して物語に心を委ねられるということです。

また、そのしっかりした世界観は、様々な呪術などの表現・描写に対する説得力という後ろ盾になり、違和感なくそれらを受け入れることが出来ます。

何よりも、色を感じさせる丁寧な描写と美しい表現が物語を美しく彩っており、読む度に頭の中に美しいのそのシーンが浮かび上がります。

そして、もうひとつ、胸が苦しくなるような恋物語も、この作品の数ある魅力のひとつです。

中華ファンタジーに触れてみたい方であれば、こちらの作品をオススメいたします!
一度物語の世界に入ってしまえば、そこには色艶やかな美しい明涼国が待っていますよ。

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