「哲学」を愛する「ファンタジー好き」が読む「本格ファンタジー」小説

 「動画」とか「他の人のレビュー」をみて、なんだ「王道のファンタジー」じゃん。と油断してはいけないです。この物語は「かなり」哲学的な物語です。あ、いや、文章の中でナカナカそう見せないのが、まぁ、作者のうまい所なんですが、「ロゴス」なんて言葉を聞かされたら、そりゃ、まぁ、「哲学」好きだな、この人、って察しがつきますけどね。

 多分、着想は「新約聖書「ヨハネによる福音書」第1章」だと思うんですよ。そうそう有名な「はじめに言葉ありき、言葉は神なりき」というヤツです(あってますよね?)。そうキリスト教だと、天地創世は神の言葉、いわゆるロゴスから始まったことになってますからね。もう、この時点で「作者」の世界が「いかに」深いかがわかるのです。

 内容も深いんですよ。ほんと。他のレビューではファンタジー部分が強調されていますが、私はこの物語の源流に流れてるのは「哲学」であり「人間賛歌」であるんと思うんですよね。だから、正直「ライトノベル」を読む層にはきつい小説だと思います。

 だいたいファンタジー小説に「ペルソナ・ノン・グラータ」なんて使っちゃうんですよ?この小説。こんな「政治用語」「外交用語」知っててニヤリとできる人、限られてるですよ。ほんと「読む人」を選ぶんですよ。

 ということで「軽い気持ち」で読み始めると「大やけど」する「本格ファンタジー」。私みたいに「哲学」とか好きな人なら大好物だと思うのですが、人を選ぶ一作だと思います。我こそは!と思う人が「ちょっと」気合を入れて読む感じの作品です。

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