人に寄り添う優しい物語を

後書きまで読めば、間違いなく作者が何を伝えたかったかが分かるだろう。同作者が描くほかの物語もそうだが、作者の優しい人柄というのが随所に滲み出ている作品である。
人は苦しみ悩むもの。それが誰か他人に向かうのか、それとも自分自身に向かうのか、それは人それぞれだとしても。
ではその苦しみ悩む人に我々は何ができるのか。この作品で描かれた「寄り添うこと」というのはその問いに対するひとつのアンサーであろう。
前後編と後書きまで読んだら、ぜひ同作者の「薔薇魔女(略称すみません)」も読んで欲しい。そちらにもまた、優しい世界が広がっている。