嘘さえも、人生を彩る輝きに変えて

挫折から始まるこの物語は、終局に向けての再生の物語でもあります。

そして、この作品の恐るべきところは、同時に鎮魂の物語でもあるところです。

この作品構成があまりにも素晴らしい。

つまり語り手である翔太の人生の前奏曲(プレリュード)と幽霊さんの生涯の鎮魂歌(レクイエム)が、たまに? いいえ、まさに一度きりの連弾。

この奇跡が多重の響きを奏でているのです。

見事としか言いようがありません。