苛烈な自分殺しの旅

思わず考えさせられる秀逸なタイトルにふさわしい、スピーディーで重厚なバイオレンスロードムービー。
小説として、ひとことで言うととても“凝っ”ている。大小の叙述トリックが織り交ぜられていて、ところどころあっ!と唸る引っかかりが作ってある。章立てもスリリング。序盤の二人旅をもっと読みたかった気持ちはあるが、手記で補完されているので満足できた。
100分くらいの実写映画にして観てみたい気がします。素晴らしい読書体験でした。