★を5つつけたい。
読後感が素晴らしすぎて、ちょっと言葉に詰まる。
カクヨムでも傑作はいくつもあるが、ロードムービー調の純文学なんて何年ぶりかに読んだし、こんな傑作であろうことは予想できなかった。
二人の会話には、作者様の人生観が詰まってると思うし、人と人との出会いがもたらすなによりも大切なものを描ききろうという意志を感じる。
軸がしっかりしているから、凄まじい変わり者の翔吾さんのことを、好きにならずにいられない。それは性別を超える。そして、こういう人になりたいな、と思わせる。
読者として、わたしはふふみの追体験をしているのだ。これこそ小説の一つの到達点なのではないか。
絶対に読んでほしい。
あと、「おまけ 布美さん、あのね」は、少し間を開けて読んだほうが楽しめると思う。
……という作者さんの声を聞いた方が、「10分読んでないけど惹き込まれた」と言っていたのを見て読んでみた作品(ややこしい)
いやぁ、読んで良かったです。むしろなんでこんなに読まれてないのか?勿体ないですね、本当に。
内容はあらすじを読んでいただくとして。冒頭から祥吾さんの余命について触れられていることもあり、重い雰囲気になるかと思いきや。祥吾さんの明るい語り口と布美ちゃんの軽妙にも感じる返答のおかげで、ピクニックにでも向かうように楽しげで、でもやっぱりどこか仄暗さの残る物語となっています。
(おまけ)がおまけじゃないんだよなぁ。ここの布美ちゃんの「どうして」に本気で泣けてきてしまいました。
たくさんの方に読まれてほしい素晴らしい物語でした。ぜひ!