ひりひりする、だけど幸福な話

ひとりの不幸な女の子がとびきり素敵な魔法使いと出会って、恋と尊厳を教えてもらう話。
最初から提示されていた物語の終わり。ずっと作中の空気はひりついていて、でも甘美で良い香りがして、そのまま読者を読む前よりも少しだけ幸福なところへ連れて行ってくれるような物語だった。
魔法使いは確かにひとりの女の子を幸せにしたし、魔法使いの弟子となった女の子はそののちに別の女の子を幸せにする。
たぶん、魔法使いが残したものは小さくてささやかだけど、ずっと続いていくと思う。
だから魔法使いが最期のとき、幸福であってくれたらいいなと思った。

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