現在の仕事を「もう無理だ」と思ってしまった主人公。何が無理なのか。どうして無理なのか。そんな問いに具体的な答えはなかった。仕事はそこそこ順調なはずなのに、かつての必死さや情熱が湧いてこない。
主人公は同僚に、仕事を辞めることやあるお願いをする。しかし、会社に呼び出されてみると、辞めると決めた少し前に手にした大きな仕事の依頼が舞い込んでくる。この大きな仕事を蹴るのか。そう言われた主人公は——。
同僚が主人公の家に、以来の品を引き取りに来る。それはこれまでの主人公の仕事に関する物だった。まるで、自分の半身のような大事なもの。
他人のモノが良く見えてしまい、自分には追いつけないと悟り、
一度抱いた夢や目標を諦めてしまう。
確かにあったはずの心の中の芯が、いつの間にかなくなっている。
ここに描かれている主人公に、今の書き手の姿が重なって見えました。
是非、御一読下さい。