京都を舞台にした人間ドラマ

【2022.08.24レビュー更新】
★→★★に変更。
最終話まで拝読しました。
うだつの上がらない園芸店の社員・鹿能 光輝と、一代で財を成した商社会長・波多野の孫娘・波多野 希未子。
この二人を中心として、波多野家に関わった人たちの心の移り変わりを、京の風情も時折織り交ぜながら描く人間ドラマ。
文体はカクヨムでは余りお目にかかれない純文学そのものであり、想像力を存分に掻き立てられる。
ライトノベルを読み慣れた読者層が多いこの場所でなければ、もっと評価されていただろうことは想像に難くない、人間臭さの溢れる作品。