ミステリーの中に隠れた濃厚な男女のラブロマンスに酔いしれる。

これは、言葉で表すとしたら、【勢いのある作品】だと思う。
この作品は一話目、二話目と読んでいくと、どんどんと次へ次へと進みたくなっていく。
これこそ、勢いというものと、作者さんの組み立て方がいかに素晴らしいかを物語っているようにも思え、読むたびに引き起こされる感情移入も読み進めることを掻きたてる一因ではなかろうか。

ストーリーは、弁護士をしている櫻子の元に連絡が入るところから物語は進んでいく。
十代という多感なお年頃の櫻子の人生の中に現れた兄。そんな兄への淡い恋心を秘めながら共に生きる彼女。
その人生の中から突如兄は行方を晦まし、櫻子も残った家族と共に逃げるように引越しをする。十九年という月日が経ち、恋心と共に消えた兄が忘れた頃に現れる。
海外で、身元不明の死体として。

彼女とともに、兄の死と兄が何者なのかを知るにつれて、櫻子は不可解なミステリーへと巻き込まれ、そしてそれを読む読者は引き込まれていくこと間違いなし。

さあ、彼女とともに、兄の真相を、追ってみてはいかが?

でも私、これはミステリー寄りのラブロマンスではないかと思ってます。家族愛と男女の愛、彼女はどこへ行き着くのか。
その辺りも読者様方がどう感じるか、どう感じたのかを、応援コメントからも楽しめるのではないかな、と。

作品に楽しめて、応援コメントでも楽しめる。
一挙三得みたいな。(一得どこいったんだろう)


本作者の作品は、本作品に限らずいずれも感情移入と起伏を起こさせるスパイスの効いた作品なので、本作品で興味が出たら、他の作品も是非に。

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