泣き虫な彼と彼女の英雄譚

勉強は平均的。運動は平均よりも少し上。
嫌いなものは怖いものと、痛いもの。
そんな少年、守屋旭人は現実世界と時間経過が異なる空間で悪鬼におそわれる。
両親は生きていくうえで必要な、最低限の霊力をうばわれ意識がもどらず、旭人は対悪鬼武器である伝説の霊闘石・あさひの宮の保持者になってしまった。
たった一人になった旭人は、幼馴染で、悪鬼退治を専門とする退治屋の伊織に保護される。
どうすれば両親と自分の大切にしてきた日常を取り戻せるのか。悩む旭人に伊織が声をかける。

「君は、十分すぎるくらいにがんばっている。だから、もうがんばらなくていいと言ってくれるけど。それでもぼくは、」

血筋。私利私欲。利権が渦巻く組織を前に、旭人がした決断は――

（小学高学年の方用に本文ルビを14話までふっています）