善悪は糾える縄の如し

政略結婚として王太子に嫁いだ「私」だったが、野心的な十歳年下の男と再婚し、子宝に恵まれる。しかし、彼女とその子供たちの生涯は、決して平穏なものではなかった……。
一人の王妃が、自身と王となった子供たちのことを回顧する歴史物語。登場人物の名前が殆ど伏せられているので、それが判明した瞬間のカタルシスが気持ちよいです。
自身を「悪役令嬢」と自嘲する彼女の生涯は、本当に「悪役令嬢」の物語だったのでしょうか。歴史は後世から何とでもいえるからこそ、彼女の生きている言葉の重み自体を感じました。

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