ネタバレになるので詳しくは言えませんが、私はとても共感いたしました。「見つけてもらいたい」も「なりたい」も、全部見に覚えのある感情です。
それが、それこそきらきらと宝石のような表現かつ切実でリアルな描写で綴られていて、読んでいて胸が締め付けられました。彼をとして世界に入り込む感覚を味わえる、巧みな文章に息を呑み、噛みしめるように何度も読み返しました。
リード、の言葉にこれほどまで様々な思いを抱かされたのは初めてです。最後のほうではその文字をなぞり、表現力に圧倒されます。
些細なことでも、きっと誰かが救われる。自信がない自分を励まされるようなお話でした。
物語に入り込んだ私は、自分なんてという気持ちを、このお話に見つけてもらって、掬い上げられたような安らぎと切なさをもらいました。
ぜひ、皆様に読んでほしい。
努力とは原石を磨きあげるものだろう。けれどその輝きは絶対に太陽に照らされるというものでもない。それでも真摯に磨き続ける人にいつか光をと願わずにはいられない。
照らすものは太陽とは限らない。もしかしたら月が導くものかもしれない。そしていつか、誰かの一番の星になる。
その努力を見ている人はいるのだと、そう教えられているようでした。その手を取って光り輝く舞台へ連れて行ってくれるものがあると思える作品でした。
今研鑽を続ける人に、届きますように。いつか報われる日は来ると、そう信じて進んで欲しい。たとえ今そこが闇の中のように思えても、いつかはきっとやってくる。
そう思える素敵な作品でした。ぜひご一読ください。
何年頑張っても芽が出ない、売れ残りのアイドルであった四ノ宮類人は、どういうわけか時価3000億円の忠犬とコンビを組むことになります。類人のことを心の底から敬愛する忠犬ルナール。それはこの忠犬にとって、掛け替えのない推し活であり……
奇抜な紹介文に驚いた方もいるかもしれません。どういう事情でそうなったのか、この出会いが何をもたらすのかは、この短編の結末で明らかになります。そう、この作品のラストはあまりにも鮮やかに輝いている。オリオン座の一等星は万人のために輝く。それは、あなたのために輝くということ。その光は、真摯に努力を続けるあなたをも優しく照らしてくれることでしょう。
優しい祈りに満ちた物語をここに。