ロジックの魔法で織りなす、これより羽搏く子供たちの物語

――と、本作は形容するべきものではなかろうか、というのが私の印象なのです(※ひとこと紹介からの続き)

男の子みたいな容姿の小学生女子、鈴偶智優(りんぐう・ちゆ)ちゃんは、下級生を救おうとして車に轢かれるという事故で瀕死の重体を追ってしまいますが、謎の転校生――その正体は魔法少女である野伊間詩芙音(のいま・しふぉん)と融合、「演算魔法少女☆ロジカル・シフォン」として復活します。
なんか、昔のウルトラマンっぽいですね。正味うろおぼえなのですが、たしかそんな筋書きのお話があった気がします――というのはまあさておきまして。

本作は、プログラミングを思わせる描写の魔法で化け物と戦ってゆく「演算魔法少女☆ロジカル・シフォン」の物語ですが、実のところその物語には、各エピソードの中心となる、化け物の事件に巻き込まれる子供たちの葛藤や成長、心の中に隠していた迷いや秘密を昇華してゆく物語であったと思います。
ひとつひとつの真相にまつわる彼ら彼女らの心の動きは、ロジカルというべき筋道を通して、多くの場合ちょっと意外な方向へ落着を見るのです。

活劇だけでなく、登場人物の心の綾も解いてゆくような。
そんな作品をお求めの方、本作はいかがでしょうか?

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