文章はギャグ込みで読みやすく。魔法の戦闘はおもしろく、演算の海を絡めて。
可愛い魔法少女☆ロジカル・シフォン。
主人公と、まわりを取り巻く学友たちが、抜群に良いんです。
爆発力抜群の、最強の「お姫さま」栞。
主人公をライバルと認めるガキ大将(でも腕っぷしは弱い)透。
コミュニケーション不全の拓人。
ほのかな、恋心。
作者さまの、小学生の「クラス社会階級」を描く目線は、冷徹です。そのなかで揺れ、大人となる最中の子供達を描き出します。
そして、キャラ一人一人、物語に描かれていない裏まで、良く作りこんでいらっしゃる作家さまです。
最後の終わり方もとても良く、満足の読後感です。大人や、女性の読者にも、オススメですよ。
はい、追記!
この作者さまの、「君、終の夜に会いにきたること」も、心憎い形で、この「ロジカル・シフォン」とリンクしています。
独立した短編としても面白く、儚い恋物語ですので、あわせて読んでいただきたいですっ!
1章を読み進めた時点でのレビューとなります!
マジカルをもじりつつも、ほんとに魔法をそのような構成にしているとはその発想に驚きました!
導入でインパクトを持ってくる流れではなく、とても丁寧な滑り出しのため、ある程度まとめて読むことをお勧めします。
読み進める際も会話文のやりとり主体でテンポが良く、また主人公キャラが元気を絵に書いたような子なので読み進めるうちにテンポが上がりリズムがとても心地よいものに変わっていくでしょう!
ちょこちょこ出てくるかっこ書きもシリアス調を和ませる上手い描写の一役を買っており、読み手が楽しみながら進める配慮がされています!
先の展開をすでに練っていると思われるであろう、1章としては謎を随所で置きつつの進行だったため、先を読み進めるのが楽しみな作品となっていました!
最初に大切な事「最後までよみましょう!」。なぜなら、私、この小説の終わり方がメチャクチャ好きなので、エンディングロール、最高でした。
じゃなくて、です。レビューでしたね。えっと、これは「ファンタジー」ではないです。「SF」です。私の大好きな「SF」です。いやぁ、魔法少女ものなのに「設定」が「サイバー」でいいんですよ。
そして、説明が丁寧だし、何より「心情描写」がすごくいいんです!最近はやりの、なんていうか、ストーリーだけが流れて、なんとなくハッピーエンドじゃないんですよ。
ちゃんと考え、ちゃんと理屈があって、ちゃんと納得できる「間」があるのです。ほんと、この「間」というのが大事で、これがあるから読者がちゃんとついていけるのです。こういうのが私は「本当のノベル」だと思います。
てことで、この「SF」、皆さんも読んでみてください!
主人公の鈴偶智優(小6女子)は不運な交通事故に遭うが、不思議な転校生の野伊間詩芙音の魔法で死の淵から蘇る。その過程で演算魔法少女ロジカルシフォンへと変身できるようになった彼女は、影の化け物との戦いに身を投じてゆく。
【作風】
本作は0と1からなる独自の世界で構築されており、魔法という一見万能な現象であっても根底には確かな理屈・ルールが存在し、ファンタジーでありながらSFでもあります。例えば不思議な力でエイッと変身して魔法を放つような、従来のテンプレ魔法少女ものとは一線を画す、オリジナリティあふれる世界設定と言えるでしょう。
情景描写は分かりやすく過不足なく、心理描写はとても細やかに描かれています。加えて一人称視点なこともあって、容易に主人公へ共感を持ち、世界に没入できるでしょう。
最近流行りの出だしからハイスピードで面白さを叩きつける作風ではなく、比較的緩やかな進行となりますが、章が綺麗に起承転結で収まっており読後感がとても良いと言えます。そのため、序盤で読むのをやめては勿体ないでしょう。
【キャラクター】
主人公の智優は、男子と間違えられるほどのとても元気でやんちゃな少女であり、周りからはガサツと言われていますが……実際はとても友達思いの優しい心の持ち主で、しっかりと女の子しています。序盤に陥る不可解な状況に対して彼女が要所要所で鋭いツッコミを入れるのですが、それがまた良い塩梅で思わずクスッとさせられます。そうしたギャグで読者を和ませながらも、迫りくるシリアスシーンを切り抜けて、大切な友達を救い出す勇気ある少女です。
そのようなカッコカワイイ彼女なので、友達の女子(ヒロイン)にも深い意味で好かれているのですが……その思いも友情と恋慕の狭間のような絶妙なラインであり、百合好きの方にもそうでない方にもオススメできる内容です。
さあ、あなたも魅力あふれるロジカルシフォンちゃんに会いにいきませんか?
まるで男の子のように元気でやんちゃな小学生の女の子、鈴偶智優ちゃん。
彼女は交通事故を経て、演算魔法少女☆ロジカル・シフォンに大変身!
すごい格好良くて、そしてとっても可愛らしい女の子の、勇気と友情の大冒険の幕開けです。
百合っ子美少女、悪ガキ少年、インテリ少年のハートを射貫いて魅了しちゃう智優ちゃんはモテモテ小学生。
彼ら彼女との友情物語も爽やかでとっても素敵です。
そんな個性豊かなキャラクターたちに影を落とす邪悪な『噂』の暗躍。
小さな子たちがどうやって乗り越えて成長していくのか、そんな楽しみもある作品です。
智優ちゃんを魔法の世界に誘う魔女機関「モーダル」の魔女たちも中々どうして愉快な性格。
プログラミングを彷彿させる魔法の行使は、知る人からすればにやりとする展開かも?
そんな青春ロジカル魔法青春ストーリーのてんこ盛り!
是非ともオススメです!!
――と、本作は形容するべきものではなかろうか、というのが私の印象なのです(※ひとこと紹介からの続き)
男の子みたいな容姿の小学生女子、鈴偶智優(りんぐう・ちゆ)ちゃんは、下級生を救おうとして車に轢かれるという事故で瀕死の重体を追ってしまいますが、謎の転校生――その正体は魔法少女である野伊間詩芙音(のいま・しふぉん)と融合、「演算魔法少女☆ロジカル・シフォン」として復活します。
なんか、昔のウルトラマンっぽいですね。正味うろおぼえなのですが、たしかそんな筋書きのお話があった気がします――というのはまあさておきまして。
本作は、プログラミングを思わせる描写の魔法で化け物と戦ってゆく「演算魔法少女☆ロジカル・シフォン」の物語ですが、実のところその物語には、各エピソードの中心となる、化け物の事件に巻き込まれる子供たちの葛藤や成長、心の中に隠していた迷いや秘密を昇華してゆく物語であったと思います。
ひとつひとつの真相にまつわる彼ら彼女らの心の動きは、ロジカルというべき筋道を通して、多くの場合ちょっと意外な方向へ落着を見るのです。
活劇だけでなく、登場人物の心の綾も解いてゆくような。
そんな作品をお求めの方、本作はいかがでしょうか?