見習いは、美味い飯を食べてプロになる☆

どの世界でも見習いというのは経験が乏しく、良いものを肌や味などで感じたりして成長していくもの。天使の業界もそれは同じだ。良い行いを「徳」として積み上げ、一定のレベルに達したら見習いというステージからステップアップする。色音と称した見習い天使は、プロの料理人「だった」関川に拾われた。
苦い経験をし、人にも自分の料理の腕にも疑心暗鬼だった関川は、拾った色音の天真爛漫さに昔の恋人を重ね、次第に心が解れていく。同情に重きを置いていた最初の気持ちも、自分の料理を食べてもらうことで、次第に愛情へと変化し自分の料理の腕にも再び自信がついてくる。この変化が色音にとっての「徳」だった。

見習いからプロへと変わろうとする終盤は必読。閉ざされていた関川の心が開いた瞬間も必読。読み終えた時は、天使の手にするリュートの「音色」が脳内で奏でられることでしょう☆

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