いつの時代にも、人生に活力を与える「食」がある☆

出されたテーマに対し、それをどう応えるかという企画。しかも「飯テロ」要素付きという難題の中で、異彩を放っていたのがコチラの作品。各エピソードは独立している掌編でも、一貫して歴史の舞台裏を描写していたのが素晴らしい。どうやったら「このお題に、このアンサーができるのか」と、毎週楽しみにしながら拝読していた。

中でも愛宕がお気に入りなのは、明治維新で活躍した者たちが出てくるエピソード(数話あります)。日本の将来に憂いや希望を抱いた者たちの悲喜こもごもな実話は、教科書からドラマや映画まで広く知られているところだが、さらにその傍らで語られなかった物語が「食」と共に展開されている。いや、傍らに「食」があったからこそ、それが原動力となって時代を駆け抜けたと言えよう。

一度読み切って栞を外すのは勿体ない。書籍が存在するなら、ずっと手元に置いておきたい作品☆

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