誰がために絵を描くか

戦争と両親の死による貧困の中で、絵を生業にして生きるフェリコ・ラーキー。
残された家族は、妹のサチ、一人だけ。
そんな中で生きて行くには、戦争という悲劇はまさに敵であった。

しかし、フェリコはそんな戦争のプロパガンダのための仕事を引き受けることで、極貧生活から脱却する。
仕事のために絵を描く。
それは変わっていないはずなのに、フェリコの中で『絵を描く』ことの意味が少しずつ変わっていく。

妹の心の軋みを聞き、画家だった父を思い出し、フェリコは誰のために絵を描いていたのか、自問する。
平和と戦争、そして誰もが望むささやかな幸福。
画家として、フェリコが最終的にどのような答えを得て、どのような平和なキャンバスを望むのか。

厳しい現実と家族の愛の狭間で、フェリコが描く平和を見て見たいと思わせる一作。

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