主人公は役者を目指す若者だった。どこか無謀で夢見がちな彼の前に現れた現実は、彼女の妊娠。しかも自分ではない男が父親だと言う。これはそんな彼の、その後の人生の物語である。人生を存分に楽しませてもらえる作品でした。導き、出会い、そして運命。彼が辿る道とは……?絶対に見届けてください、彼が辿り着くその日を。素敵な作品をありがとうございました。
この物語の主人公は鬼である。ネタバレを避けるために色々ぼかした感じではあるけど、とにかく色々な意味で鬼なのだ。その鬼が泣く。童話の赤おには、青おにの想いを知って泣いていた。この作品の主人公は、何を知って泣くのか。この物語の中には、主人公を含めて主に5人の人物が登場する。その5人が、4000字という字数の中でしっかりと人生を背負った味のある人として描かれている。この密度と充実感はKAC作品の中でも出色の出来と言っていいだろう。KAC作品をたくさん読み過ぎて警告が来ちゃった人も、忘れずにこの作品も読んでおいてほしい。
なんといっていいものやら。人生というものは事程左様に難しいものか。真実を知ることは必ずしも必要ではない。しかし知らずして後悔することも、これまた星の数ほどあるわけで。本編の主人公・高木は、若き日に役者を目指し、地獄を見た男だ。だがその地獄には、一筋の光が宿っていた。詳細はご自分の目で確かめて欲しい。その日記には、あなたを支える言葉が書いてあるかもしれないから。
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