この物語の主人公は鬼である。
ネタバレを避けるために色々ぼかした感じではあるけど、とにかく色々な意味で鬼なのだ。
その鬼が泣く。
童話の赤おには、青おにの想いを知って泣いていた。
この作品の主人公は、何を知って泣くのか。
この物語の中には、主人公を含めて主に5人の人物が登場する。
その5人が、4000字という字数の中でしっかりと人生を背負った味のある人として描かれている。
この密度と充実感はKAC作品の中でも出色の出来と言っていいだろう。
KAC作品をたくさん読み過ぎて警告が来ちゃった人も、忘れずにこの作品も読んでおいてほしい。