名の無い日記があなたを招く

かつて苦労を共にした冒険者仲間が音信不通となっていた。その行方を求めて男性はとあるダンジョンの一室に辿り着く。そこには仲間の日記があった。

……結末を知ってもなお、わたしはその日記を読んでみたいと思った。そして、わたしも同じ目にあってみたい、同じく誰かに読まれてみたい……。

そんな悪魔の誘惑を、あなたも感じなかっただろうか。落ち着いた筆致で読者を堅牢な迷路へと誘う怪作だ。