これはまぎれもない上物だ

寿命を迎えつつある母星から、新天地を求めて旅立った調査船カ・シィーツォ。
しかし老朽化を抑えるハイパーネーションの故障か、突如乗組員たちにキャプテンの死亡が突きつけられた。
キャプテン不在の中、彼らが探し求めていた惑星『イズミール』が発見された。
不慮の事故下、調査を続行をするか、あきらめて帰投するか――乗組員たちの意見が分かれ、軋轢が深まる中、事態は予想もしない方向へと展開していく。
そして、誰もいないはずの調査船内に、彼らとは異なる何者かが……

* * *

SFという美酒に、何がもっとも重要?
人物描写?
設定?
読む者、観る者をうならせるコズミックでファンタジックな理論体系?
ノン、ノン。
一番大切なのはカッコよさだ――とわたしゃ、思うのであります。
上にあげた要素もそりゃ大事だ。
では、それらがすべて兼ね備わっているから堪能できるかと云えば、ちと違う。
人は設定を読むわけじゃない、物語を読むんだ。
カッコよさってな、それらの上位にあるナニモノ。
これからこの物語を読む方々には保証しましょう。
この物語のカッコよさ、これはまぎれもない上物だ。