熊にとっては優しさでも、相手によっては優しさにならないこともある。

 この作品では、森に住む「熊」を主人公として、ほかの動物たちとのかかわりを描きながら、「たったひとつの『ものさし』を押し付けるとどうなるか」ということを書いています。

 柔らかい語り口の童話なので、すっと入る内容ですが、読んでいくときっと誰しもが「あること」に気づく内容になっていると思います。
 特にこの作品では「熊からみた正義」や「優しさ」が描かれています。「正義」や相手を思った「優しさ」は一見いいもののようですが、これも押し付けてしまえば相手にとっては苦しいものになります。

 さて「熊」は、どうして自分の「ものさし」を相手に押し付けてしまったのでしょうか。
 気になった方は、この物語の最後に何が待っているか、読んでみてはいかがでしょうか。

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