召喚されたいにしえの魔神と、非魔術師の少女の旅の結末
魔術が迫害される時代、メルローズ・エルファは、魔術師である父・クラメンスとその弟子アルジャナンとともに僻地フロリオ島で暮らしていた。エルファ家は古い魔術師の家系だが、メルローズ自身は魔術が使えなかった。
父クラメンスは魔神を召喚する研究をしていた。
時を操る魔神カイロスを召喚する実験を行っていたその日、魔法陣が暴走する。途中で気を失ったメルローズが目覚めると、クラメンスとアルジャナンが倒れていた。メルローズは父に駆け寄るが、すでに死亡。彼女は意識を取り戻したアルジャナンに、魔術で父の蘇生を行ってくれるよう頼むが、アルジャナンはクラメンスの魂を喰らったと言い出す。アルジャナンの肉体はクラメンスが召喚した魔神カイロスによって支配されていた。
カイロスは契約によりクラメンスの魂を代償として、アルジャナンの肉体を得ていた。魔術の世界には『万象の書』と呼ばれる地上のあらゆる事象について記した書物が存在し、その中では神や精霊たちと人との契約について定められていた。
クラメンスはカイロスにエルファ家の繁栄を望んだことをメルローズは知ったが、彼女は契約を破棄しアルジャナン助けることを決意する。
そこへ、本土オルドリッジから魔術師を迫害する元凶である天主教の祓魔師イアサントが現れる。魔神を悪魔と呼び、神殺しの剣とも呼ばれる天主教の秘宝である聖賢の剣を持つ彼は、カイロスをアルジャナンの肉体ごと殺そうとする。
からくもイアサントの手を逃れたメルローズとカイロスは、エルファ家と繋がりがある魔術師で、フロリオ島の洞窟に隠れ住むオリヴィエに父クラメンス復活の助言を求めに向かう。ところが洞窟にはオリヴィエに長年捕らえられていた水の魔神タラムスがいた。タラムスはメルローズが祓魔師から奪った剣を使いオリヴィエを殺してしまう。そしてタラムスは「万象の書の司書によって剣がここに持ち込まれることは預言されていた」と伝える。
万象の書の司書を探し出し、クラメンスを生き返らせる方法を教えてもらうことを決めたメルローズは、フロリオ島にやってきた祓魔師たちによって島のあちらこちらが浄化という名目で焼かれている原因が自分たちであることを認識し、友人の手を借りフロリオ島を出て本土オルドリッジへと渡った。
やがて司書が現れるかもしれない天主教の総本山シャンティの僧院を目指す旅を始める。
途中、追い掛けてきた天主教の聖職者たちからメルローズを逃がすため、カイロスは自分を囮にしたため、ふたりはばらばらにシャンティへ向かうことになる。
シャンティの僧院で待っていたのは、かつての同胞だった魔神を抹殺しようとする神と、その神を召喚した預言者と呼ばれる男だった。男は自分が召喚した魔神を唯一神とし、自分は預言者となって世界を支配しようとしていた。