この理不尽に、私達はどう向き合えばいいのか。

作者の怒りが作品に漲り、渦を巻いている。読み終えて、まるで太い剣が胸に突き立ったような強烈な痛みが残った。

独裁者の一存で、国が動き、国が傷つけられる。
大切な人の命が、家族の歴史がこうも簡単に奪われる。
目の前の不条理に憤り立ち上がった人々は、一瞬にして捕らえれ、撃ち殺され、その名すら残らない。

誰も、悪魔を抑え込めない。
こんなことが許されるだろうか?

この理不尽に、私達はどう向き合えばいいのか。
狂った独裁者が好き勝手に暴れるのを、今すぐに阻止する方法はないのか?

「世界の全ての国々が従うべき法」というのは、ないのだろうか。
全ての国の法律の上に置かれ、狂った指導者を捩じ伏せるほどの強力な力を持った、世界平和を目指す「上位法」のような存在が。
そうでもしなければ、世界の平和など到底訪れないのではないか。個人個人が口々に叫ぶだけでは、世界は変えられないのではないか。
悔しいが、そう思わざるを得ない。

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