その怪物、まさに伝説級――!

隣国との密貿易の権益をめぐって対立する国境近くの村、密命を帯びてやって来た一人の騎士
村の権力者たちの対立や村を脅かす盗賊討伐に巻き込まれる中で悠々と現れる騎士の仇敵
そして何もかもをぶっ壊すように満を持して登場する「夜の怪物」、その破壊と殺戮の圧倒的なこと!
盗賊退治の下りなどやや展開にもたつきを感じる局面はありましたが
とにかくじらしにじらされた上でようやく「怪物」が登場して以降の
怒涛のモンスターホラー的展開はまさに圧巻の一言でした。
カクヨムで主流派の異世界転生などのテンプレ展開からみれば地味な作風かも知れませんが
前半の村内の勢力対立はどことなく西部劇的でもあり
中盤の盗賊退治の下りは戦争映画的な近代的ジャングル戦のようでもあり
そして後半の怪物の下りは文句なしのモンスタークリーチャーホラーと
中世ファンタジーを舞台にしながら、実に映画的な、多彩な側面を持つ作品だったと感じました。