3.11と言われる震災当時のことを思い出しました。原発の問題により電気が足りなくなり、ヤシマ作戦だとネットが沸き、日本中が頑張ろうとなった日々。毎日のように津波の映像とACのCMが流れた日々。日に日に増えていく犠牲者の数。助けようとして津波で流された人々。家族が目の前で飲み込まれる話。自衛隊の凄まじい活躍。みなさんは、どれだけ覚えていますか?自分の記憶はぼんやりとし始めていました。物語ではありますが、あの日、あの時起きたことが鮮明に文章として描かれています。どうか多くの人に読んで欲しいです。
利吉おじいちゃんは、ずっと海の近くで生きてきたから、海のことを良く知っていました。11年前のあの年も、その異変に気付いていました。亀の甲より年の劫ともいうように、長い経験というのはそれだけで貴重です。だからおじいちゃんは、その貴重なものを口を酸っぱくしてでも周りに伝えようとします。経験を通して自ら学んだことを他の人に伝える、そのために言葉や文字はあるのです。あの日の記憶も、こうして形にして伝え続けてくれる作者様がいるというのはありがたいことだとしみじみ思います。
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