世界設定・登場人物紹介その他

 最後までお読みいただきありがとうございます。本作は、昨年に作りかけで放置していた、ニコニコ動画向け「ソフトウェアトーク劇場」モノのリメイクとして、キャラクターと設定を一新し、13,000字程度の短編としてリメイクしたものとなります。


 ソフトウェアトークに詳しい方であれば、名前や性格に原型のキャラクターを感じ取れるかもしれません。


 あとがきはそこそこに表題について以下に記させていただきます。世界観の整理にご活用いただければ幸いです。



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舞台について


・鴨川商店街組合

 京都で裏稼業を行う組織を総括管理する組織。平安時代より存在し、1181年の養和の飢饉時、悪化した治安が悪化した京都に多く現れた、ならず者集団を治めるべく、後白河院政と平氏が設置した組織が前身。鎌倉幕府成立以降は将軍直属の裏組織として現代まで存続。

 「組合商売取決」によって、京都に多く存在する人身売買、詐欺師、麻薬密売人、一部の暴力団等を統括する。

 京都における仕事の情報、麻薬、武器類の流通のほとんどを牛耳っており、これらの紹介や卸売で利益を得ている。特に政界や財政界、ロシアンマフィア等が絡む仕事は組合経由でしか入ってこない。

「組合消防団」と呼ばれる実力部隊を有しており、「信用の取決」によって、規模の大きい組織からは毎年構成員を出向させることとなっている。組合専属の構成員も存在する。

 組合への加入は、京都で裏稼業を営むにあたり必須ではないうえ、加入していても組合を経由せずに商売をすることは可能。「取決」に記載のないことは組合であっても取り締まることはできない。しかし、組合加入者が信用商売を重んじている都合上、組合を経由しない仕事を引き受けることはない。引き受けた場合、後にどうなるかも分からない。


・組合商売取決

 組合が定める、裏稼業におけるルール。

 「仕事を横取りしてはならない」「仕事中に表の人間に顔を見られてはならない」「信用商売」の3つが定められているのみで、これを守る限りはあらゆる稼業が認められる。

 組合は取決を違反した者に「看板の張替え(京都から追放)」を言い渡すことができる。逆に、取決を違反しない限り組合の権限で稼業に介入することはできない。

 一見自由度が高いように見えるが、「信用商売」の項目が実質的に多くの暗黙のルールを生んでおり、実際の制限は大きい。


・信用の取決

 組合商売取決の3項目目、「信用商売」のことであり、この項目が内包する多くの暗黙のルールのこと。

 主なところで「大規模組織は組合消防団に毎年一人構成員を出向させる」や「決闘は大原」など。


・喫茶さんず

 京都市左京区東丸太町にある古い純喫茶。実態は老舗の逃がし屋であり、先代の初代店主は伝説とまで呼ばれた。

 取決を一度も違反しなかったことはそうだが、仕事中に一切姿を見せたことがないどころか、仕事を一切気づかれたことがなかった。


・北海道漁業連

 北海道における裏稼業の総元締め。古くはカニ漁、ロシアからの密輸、亡命、人身取引で発展した。リツカが上京以前に所属していた。


・攫い屋

 依頼主、あるいは裏社会の斡旋を通じて、人を攫う仕事を専門に受ける裏社会の組織。

 以前までは身代金目的や政略、性的目的等が主であったが、近年は依頼主本人を攫わせる自作自演を行うことが多い。

 逃がし屋と共に亡命の依頼をこなしたりすることが多く、両者は密接した関係にある。


・逃がし屋

 依頼主、あるいは裏社会の斡旋を通じて、対象の人物を指定の場所あるいは状況に逃走させる仕事を専門的に受ける裏社会の組織。

 裏社会ではかなり一般社会に近い”上澄み”であり、一部の店は一般社会から裏社会への橋渡しをすることもある。

 故に、裏社会の組織からはやや嫌われる傾向にあるが、受ける仕事の重要度や報酬は高く、実力のある者は裏社会でも一目置かれることもある。

 攫い屋と協同することが多く、両者は密接した関係にある。



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登場人物について


・三河渡里(みかわ わたり)

 喫茶さんずの店主にして、京都裏社会では老舗の”逃がし屋”三途屋の14代目。

 伝説とまで言われた先代の跡取りとして逃がし屋稼業を行っているが、基本的に自分一人が悠々自適に暮らせればよいので、カモフラージュ兼大食いの食欲を満たすための喫茶店”さんず”を営みつつ、年に一回程度大きな仕事を受けることで生きている。

 本人の仕事への才覚は確かだが、わりと残念な頭もしているので、ドジはよく踏む。

 主に使用する武器は「S&W M4506」と「MATEBA modello 2006M」。

 沙羅曰く「センスが悪い。」



・佐藤沙羅(さとう さら)

 鴨川商店街組合攫い屋の総取締を行う、京都一の老舗攫い屋”佐藤屋”の次女。

 次女という事で、店を継ぐ立ち位置にはないが、本人は姉妹の中でもかなりやる気のある方。

 基本的におっとりしているが、芯は通っている、まさに”大和撫子”と呼べるような性格。しかし抑えているだけで、かなりの毒舌を発揮する。

 主に使用する武器は「ベレッタPx4」や「レミントン870」、「肥後蘇山 並 15kg」。

 リツカ曰く「攫い屋というより殺し屋。」



・睦月リツカ(むつき りつか)

 北海道から上京してきた、攫い屋の娘。

 孤児であるところを、リツカの”お師匠”に引き取られた。

 お師匠には裏稼業を継ぐことを強要されていないが、本人が一番やる気がある。

 やる気がありすぎて、近年京都鴨川商店街組合に押されている勢力圏を取り戻すべく、また自立してお師匠に跡取りとして認めてもらうべく、京都の攫い屋や逃がし屋を吸収して北海道に貢献するために上京してくる。

 主に使用する武器は「鎖分銅」「トンファー」「ヌンチャク」

 渡里曰く「アホ。」



・鈴木ツミキ(すずき つみき)

 ただの女子大生。水商売をやっていた親の関係でうっすらと裏社会のことは知っており、小遣い稼ぎのために裏社会をたまに利用する一番ヤバい女。

 天性の綱渡り勘を持っており、危ない目には一度もあっていない。

 本人曰く「全員アホ。」

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攫って逃がして、殺せない!~喫茶さんずの渡し船~ みのる @hokuro510

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