250Gの聖剣

「俺は英雄になれなかった…」

　アイザックは、250Gの鉄剣で魔物を狩って日銭を稼ぐ中堅冒険者。彼もかつては英雄を目指していた無垢な少年だった。しかし、現実の厳しさを痛感するうちに、金の為に魔物を倒す平凡な冒険者になってしまっていた。アイザックは今年で27歳。恋人もおらず―――稼いだ金で飲んだくれる日々を送っている。

　ある日、聖剣を手にした勇者が『災厄の王』を撃破したとの報が飛び込んでくる。
　勇者はかつて、アイザックが共に戦おうと誓った幼馴染だった。
　幼馴染は世界を救ったのに、自分は雑魚モンスターを狩って酒場に入り浸っている。

　そんなアイザックのもとに、救世の勇者となった幼馴染が訪ねてくる。
　一体何の用だと聞いてみると―――。

「世界救って暇だから、ここからの人生どうしよう…続きを読む