パンツがつなぐ、戸惑いと純愛の物語（至ってまじめです）

「カッ──！　とパンツが虹色に輝き光が迸った」

　もうこれだけで、表情筋と腹筋が完全崩壊です。
　それぞれの言葉のコンビネーションが絶妙すぎてどうしようもないです。
　なのに、中身は実に真面目な純愛物語なのです。

　夫を病で亡くし、一人暮らしをするマイ。
　パンツの国で、辛い過去を抱えながらもマイに献身的に尽くしてくれるトップオブパンツ（領主）のオズワルドに惹かれつつも、文化の違い（下半身の着衣の違い）からすれ違ってしまう二人……。

　完璧なイケおじオズワルドさまと、マイさんの揺れる女心が実に繊細に描かれるのに、ちょいちょい差し込まれる短衣の描写のおかげで切ない気持ちになった直後に爆笑せずにはいられなかったりして、読んでいるこちらも情緒が落ち着きません。

　笑って泣いて、最後にはこれでもかというハッピーエンド！
　何かと暗くなりがちな世の中ですが、間違いなく笑顔になれる素敵な物語です。

　タイトルとあらすじを見る限り、どこからどう突っ込んでいいものやらと戸惑ったあなた。
　その戸惑いはわかりますが、ぜひその先へ……！
　おすすめです！