北畠の猫

わたしが生まれたのは、宇治関白様という方が建てたというお寺の前の橋、その橋板の下でした。幸せだったわたしたちの生活は、人間の始めた「いくさ」というもので一変します。追い詰められたわたしの前に、年端もいかぬ貴人の男の子が現れ、わたしはその子の遊び相手として新しい生活を始めることになりました。
800年前、前回の「スーパー猫の日」に思いをはせて生まれた物語。