時を忘れる読書とはこういう事だ!

腕に救出した少女を抱き、憎悪の瞳でカルネディオ城を睨む、謎の男。
カルネディオ城はその男の驚くべき強大な魔術によって、崩れ落ちる。
それは間違いなく、世界の均衡を崩す烽火であった。

丁寧口調、知識欲旺盛なスフィーリアの賢者──彼こそは藍碧の賢者。
永劫の時を生き、常人には窺い知れぬ悲しみを知る、超越者──レスティー。
「混沌の輪還の秩序を守る──混沌の騎士」
混沌の輪、それは死者の魂の還る場所。

誰が主人公? 皆だよ! 
魅力的な登場人物が多くて、もう、読者様は好きな推しメンを作って良いんですよ。

とにかく面白いんです!
読み進めていくうちに、物語から漁師が使う投げ網が私にむかってバーッと放られて、網に捕まった私を物語世界に引きずり込みました。
トゥウェルテナという砂漠の民で、剣舞で戦う美しい女性がいるんですが、私は何回も彼女の名を叫び、「さささ最高です───!!」と惜しみない賛辞をコメント投稿しました。何回もです。
文章が、戦いぶりが、色彩が、人の思いの交錯が、美しい。
さささ最高なんです……!
読書に耽溺するとは、この事ですよ。


追記!
(だって、このレビュー書く時、やっとレビュー書けるの嬉しすぎてテンション高かったんだもん。書こうと思ってたこと、書いてなかったの思い出したのですよ。)

ダークファンタジーと銘打ってありますが、私のなかでは、これは、ダークというより本格ファンタジー、です。

魔霊鬼はたしかにおぞましく、ダーク。闇も描かれている。
でも私がこの物語から感じるのは、一条の光の矢。
登場人物は高潔に前を向きます。心に光を宿し、艱難刻苦にもめげません。
物語を貫くのは光です。

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