命にふさわしい。

端的に苦虫を噛み潰したような読後感を味わえる掌編となっており、そうした展開を短く詰め込んでそれっぽい話に仕上げているというよりは尺に対して適切な話を組んでいるのが好印象でした──この尾を引くような嫌な気分をスっと受け止められますね。語り口の冒頭も冒頭から本題に入り、本作の根幹にあるどうしようもなさをマクロからミクロな視点の事柄を交えながら強固な物にしていくという構成もいやらしい。