私はバイセクシャル(両性愛者)の女性です。当事者ですがLGBT法案には強く反対しています。
LGBT法案や女子トイレがオールジェンダートイレに変わってしまう問題で混乱している人は、とりあえずこの作品を読むところからオススメします。
ついでに私はミッション系スクール出身なので、聖書に何が書いてあってキリスト教徒が何を信じて生きているかは昔から知っています。
(※私がキリスト教徒という訳ではない)
おそらく一般人の殆どは「差別をなくそうというのはいいことなんじゃないの?なぜ当事者なのに法案に反対するの?」
「差別やいじめって日本にも絶対あるでしょ?」
と思っていて、なぜ当事者同士で意見が割れているのか混乱なさっているんじゃないでしょうか?
それを説明するためには、まずは聖書の内容を知ってもらう必要があります。
聖書に記されている「神の言葉」がどれだけキリスト教圏の人々の内面に、生き方に、強く影響を及ぼしているのか
その結果日本人とは何がどう異なるのか、というところから理解できていないとあらゆる前提が食い違ってしまうのです。
このエッセイではそのキリスト教のことも含めて日本と他国の土壌の違いにしっかり言及されており
なぜ私たち日本の当事者はキリスト教圏で生まれた「LGBT運動」を必要として来なかったのか。いうことも分かりやすく書かれています。
しかも無駄のない簡潔な文体で誰もが読みやすい。
是非たくさんの人に読んでもらいたいです。
また、私たち当事者も正確に知る必要があることです。
日本においても様々な形での差別・偏見は(性的少数者へのそれに限らず)存在するけれど、キリスト教圏のように「お前たちは罪人だ」と宗教から名指しされることによって一般の人々からも迫害されているという社会構造ではないのだと。
キリスト教圏における「LGBT運動」「法案成立」は宗教との戦いであり、人々の内面に深く根付く宗教観との戦いの結果です。
日本でそのキリスト教圏の戦いをそっくり真似して同じ法律を作ろうとするなんて不毛の一言に尽きるのです。
なんせ戦う相手(=国民の内面深くに根付いた宗教)がいないのですから。
このまま海外の真似事で突っ走るのを放置していたら、ただただ混乱が起きるだけです。
だから私のように、自分は当事者だけど反対であるという意見が出る訳です。
最終的に何をどう支持するかは置いておいて、この作品が現状把握の一助となることは間違いありません。
多くの人の目に止まりますように。
虹旗運動の実態を熱心に書き綴った作品です。著者本人の見解のみならず、他の当事者への聞き込み、欧米の現状などを丁寧に扱ってをり、脱帽します。
ただ少し情報量が多く、手軽に読むには重いと思ひますので、次の章節の気になるところから読まれることを御勧めします。
▼第3章-1. 「LGBT」=レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーのことではない。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860040342257/episodes/16816927860131765727
彼等は初めから名前を乗っ取る集団でした。
▼第8章 「生産性がない」? 杉田論文を読み返す。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860040342257/episodes/16816927862350943931
誰もが聞いたことのある杉田水脈の件を通じて、LGBT活動家の不合理性を確認しませう。
▼第9章-5. 女装男を女性と言わなければ差別。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860040342257/episodes/16816927862708841913
「性自認主義」の危険性について語ってゐます。続く第10章「女装男が女湯に入っても合法になる日。」にて、LGBT先進国での具体的な事例が紹介されてゐますので、そちらも是非。
▼第14章-2. おぞましすぎるトランス医療。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860040342257/episodes/16817139555763846431
日本には「生娘をシャブ漬け戦略」と云ふ冗談を言っただけで「重大な女性差別」と糾弾され、職を追はれてしまった人が居ますが、トランス医療が文字通りのそれであることを告発してゐます。どちらが本当に危険かは言ふまでもありません。
▼第15章 STOP!! LGBT法案!!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860040342257/episodes/16817139556530243479
第10章「女装男が女湯に入っても合法になる日。」などを読めば、敢へてこれを読まずとも、どのぐらゐ危険かは分かりさうなものですが、一往挙げておきます。
▼第12章-3. 日本語を取り戻せ!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860040342257/episodes/16816927862809489999
レビュータイトルの伏線回収です。
知識不足。そこに気づかされた。諸外国は気づいている。もしくは、もうすでに問題となっている。
カクヨム内でしっかりとした「LGBTQ…」を扱う作者は二人目になる。数の少なさを問題提起するわけではない。その点においては、ただ単に私の読書量が少ないだけなのかもしれない。
一人目はセクシャルマイノリティをポジティブに捉える救いのある作品。そして、今回はマイノリティを俯瞰して捉える「学びの作品」だと感じた。
ここは逃げも隠れもせずに、私もカクヨム内で「LGBT」を扱った作品を描いた事がある。たぶん、私はマジョリティ側の人間だろう。そんな人間の描く作品はエンタメ性に比重が偏り実がない。
自分の作品はさておき、この作品の実の部分は「LGBT」ではなく「人間」にある。マイノリティを中心とした人間性。その所作とその歴史に対する考えを、現代にまで遡り思考することにある。知り得るとは、こういうことかと、痛感させられた。
私は未だ井の中の蛙の子。我々オタマジャクシが大海を知るために、この作品は、その一歩を記してくれている。そして、さらに……受け入れられるか?否か?を問うている。実にフレキシブルであり、学びのある作品だった。