部活の終わり

帰りのバスの中はズーンとした重い空気に包まれていた。美穂と亜希子は疲れたのか、二人とも爆睡していた。


「頑張ったとに、銀賞とか悲しかよね」

「なんで、あの高校は金賞やったとに、、、」

「こんなんやったら、受験勉強とか頑張れん」


小声で部員たちは話をし始めた。


そう、吹奏楽コンクールが終われば、3年生は本格的な受験勉強が始まる。



自分たちの高校に戻り、美穂たちは楽器をトラックから運び、部室へ行った。



指揮者であった顧問の先生が挨拶をし始めた。


「皆さん、お疲れ様でした。結果は銀賞やったけれども、進学校という勉強との両立をしながら、みんな一丸となって、いい演奏が出来とったと僕は思います。みんなの練習している姿はすごく輝いとった。僕は、結果は関係ないと思います、演奏がどれだけの方の心に響いたか。僕は今回指揮をしながら、今までで最高の演奏だったと感動しました。本当にありがとう。3年生の皆さんは、受験勉強が始まるばってん、この部活で培った集中力や団結力を生かして、頑張って。君たちなら、大丈夫。応援しとるけんな」



「「「ありがとうございました」」」



部員たちは結果を少しずつ受け入れ始めたのか、話し始めた。


「まあ、演奏自体は楽しかった。それで十分やったよね」

「あそこのパートは、今までで一番良かった。吹きながら、私感動したもんね」

「まじそれ!めっち練習したけんね」



吹奏楽部3年生の部活人生は終わりとなった。

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