仮装大会
仮装大会のまとめ役
「美穂ちゃん、仮装大会のこと話そ!」
「優香、いいよー-。しぶしぶ、私はまとめ役やけどね!!もう!」
「いいやん、いいやん。こないだ、男子たちがびっくりしながらも、期待しよったよ!」
「どうゆうこと?」
「美穂ちゃんって可愛いやん?」
「それはないけど」
「いや、可愛いと!でね、男子も薄々それを分かっとる訳よー-。この仮装大会で間宮さんってどういう人なのか、知ることが出来るチャンスやん!って盛り上がっとった」
「優香、それ、嘘やろ。私に頑張ってほしいけんやろ」
「違うって!!本当!なんかね、竹本くんが熱弁しよった、まじ、あの光景は美穂ちゃんに見てもらいたかった」
「なに、熱弁って」
ー-------
「間宮さんが仮装大会のまとめ役やて、、、」
「友達から誘われたんやろうね」
「でも、実際、間宮さんって美人じゃね?」
「それは分かる分かる」
美穂がまとめ役と決まり、男子たちはざわざわと美穂について話し始めた。すると、竹本くんがその男子たちの前に立ち、話し始めた。
「諸君、間宮美穂の話をしているな?」
「なんだよ、竹本」
「間宮さんがこの、まとめ役をしてくださる、ということは我々男子に、色々と指示をしてくれるだろう。、、、ということは、僕らは間宮さんと話すことが出来る、交流することが出来る、なんなら、彼女の笑顔を見ることが出来る。それは最高ではないか」
「こいつ、何か言いよる」
「まぁ、聞いてくれ。君たちが言うように、間宮さんは美人だと、僕も思っている。所謂、隠れ美人というやつだ。分かるか?君たち。で、今回、間宮さんの、この素敵さをどんどんと引き出していこう、という話になる。間宮さんはきっと、このまとめ役を嫌々するはずだろう。しかし、僕ら男子が彼女のテンションを少しでも上げて、楽しい楽しい時間を共に過ごしたい、間宮さんと。ということで、みんなよろしく。間宮さんと仲良くなろうぜ」
ー-------
「って竹本くんが言いよった」
「なんそれ」
美穂はだるそうな表情を見せた。
「まぁまぁ、いいじゃん。他の男子とも仲良くなろ」
「私、そのためにまとめ役を引き受けとらん!!」
「竹本くんが勝手に言いよるだけたい。でも、本当、美穂ちゃんは可愛いけん、みんなに知ってほしい」
「優香まで、そげんこと言わんで」
「まぁまぁ、、、じゃ、そういうことで、仮装のこと考えようか」
「なんか上手い具合に話変えたな?」
それから、美穂と優香は仮装大会の話について話し合った。
仮装大会では、クラスの生徒だけではなく、担任・副担任の教師も一緒にする。そのため、教師もしてくれそうなテーマを考えなくてはならない。
「可愛い系?クール系?あー---どうしよう、全然思い浮かばん。美穂ちゃん、何か案ある?」
「オタク系でいいんじゃ?」
「なにそれ?」
「オタ芸みたいな?まぁ、適当なアイドルグループを作って、他の生徒はオタクの役になって、オタクのダンスみたいなやつあるやん?ほら、こういうの」
美穂は簡単に踊って見せた。
「最高やん、美穂ちゃん」
「せっかく女子が少ないんやけん、可愛いアイドルグループ作って、男子たちに盛り上がってもらって、、、、あ、副担任もアイドルにしちゃえ」
「最高、、、、、美穂ちゃん、よくアイデア出たね」
「え、この案いいと?」
「もちろん!!今日の放課後、みんなに説明してみよう!!」
放課後学習の後、クラスみんなに残ってもらい、美穂と優香は教室の前に立った。
「仮装大会の件なんだけど、美穂ちゃんが案を出してくれたので、説明してもらいたいと思いまー-す」
「え、私!?優香、説明できるやろ、、、」
「いえ、出来ません」
優香は『お願い』という表情を見せて美穂に頼んだ。
「じゃあ、簡単に説明します。嫌なところがあったら、全然言ってください。えっと、、、まぁ、、、このクラスにアイドルグループを作って、可愛く踊ってもらって、、、他の生徒はオタク役になって、オタ芸をしてもらいたいです。担任は男なので、オタク役、副担任は女なので、アイドルかなーとか思ってるんですが、、、それは、追々考えます。意味分かったかな、、、私、話下手やけん、、、」
「めっちゃいいやん!」
一番に言ったのは、、、予想通り、竹本くんだった。
「あ、ありがとう、、、」
「美穂ちゃん、いいアイデア出したねー」
「どーも、、私、アイドルとか詳しくないので、誰か詳しい人したら、情報欲しいです。こういうのどう?とか、待ってます。私からは以上です」
「ということで、みんなどうかな?」
優香がクラス全体に聞くと、クラスメイト全員が拍手をしてくれた。
「やっぱ美穂ちゃんの案、良かったね」
「優香、ありがとう、こんななると思わんかった、、、」
美穂のクラスの仮装大会の内容は決まり、少しずつ準備へと入った。
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