本番・打ち上げ

本番を迎えた。


オタク役のクラスメイトが声を上げてアイドル役が出てくるのを待つ。


「ふー-!!ふー-!!しゅうちゃー-ん!!たくちゃー-ん!!」


竹本くんも相馬くんもアイドルになりきっているため、オタク達はテンション高く呼ぶ。ちなみに、相馬くんの下の名前は、今更だが『卓哉』という。ここで、アイドル曲が流れた。


体育大会に参加している全学年が拍手をした。


「みんな、今日は来てくれてありがとう!!!」


女性の副担任である、飯森先生がヒラヒラのアイドルの格好をして、大声で叫んでいる。


「飯森先生可愛い!!」

「最高!!」

「めっちゃアイドル似合う!」


他の学生たちが言う。


次々とアイドル役の女子、そして、竹本くん、相馬くんが出てきた。全学年、そして参加しているオタクたちはテンションマックスで

「きゃー----!!!」

と声を上げ、曲に合わせてオタクダンスをしていく。この中には男性の担任である、鈴木先生もノリノリだった。一応ダンスの練習はしていたが、まあ、50代ということもあって、ワンテンポ遅れたダンスであったが、そこも愛くるしい。


美穂もいつもとは違って、思う存分楽しんでやろう、という思いで、精一杯踊った。クラスみんなで仕上げたアイドルのドレスはキラキラしていて、とても可愛かった。


アイドル曲が終わり、クラスみんなが集合して、「アイドル最高!!!」とみんなで声を揃えて叫んで、終わった。



「めっちゃ楽しかった」

「この設定最高だったね」

「鈴木先生も飯森先生も良かったよね!!」


クラスメイトは感想を述べながら、控室へと戻った。



控室に戻ると


「みんなで写真撮ろうぜ!!ほら、先生も!」


相馬くんが言う。


他のクラスにカメラを渡して、撮ってもらった。



美穂はこの楽しい時間を忘れないようにしようと、笑顔になっていた。

すると、竹本くんが美穂のもとに走ってきた。


「美穂ちゃん、一緒に写真撮ろうぜ」


「えっ」


「今の美穂ちゃん、最高やけん!!」


優香が来て、美穂と相馬くんの写真を撮った。


「ありがとう、美穂ちゃん!!」


美穂は嬉しさ半分恥ずかしさ半分で、きっと顔が赤くなっていただろう、、、。


『やばかー-----。竹本くんと二人での写真、、、』



「優香!私、変じゃない!?!」


「美穂ちゃん。いきなりどしたん?いつも通り可愛かよー-」


「むむむむむ、、、」



その後も他の競技があり、盛り上がった体育大会となった。




体育大会が終わり、クラス全体盛り上がっていた。


「とうとう最後のイベントが終わったね」

「でも、仮装大会は最高すぎた」

「やばかー--余韻がすごすぎる」


ここで、案の定の男が叫んだ。



「体育大会はこれで終わりじゃない!!打ち上げしまー---す!!!」



「え、やばかやばか」

「竹本くん、それガチ!?」



「もう予約も取ってまー--す」



なんという男だ。行動が早い。



「美穂ちゃんも行くよね?」


優香が美穂に聞く。


「私が行く場所ではないので、、、」


「なん言いよると!!美穂ちゃんおらんかったら、この仮装大会は成功せんかったばい!」


「みんなの協力のおかげで、、、」


「もう!!美穂ちゃん行こうよ!私が勝手に決める!!!竹本くん!美穂ちゃんも参加で!!」


「え!!優香、勝手に決めんでよー---」



「よー---し、美穂ちゃんも参加ということで!!今日の18時半にあの焼肉屋さん集合!!!!」



「うぇー-い」

「まじで楽しみ」

「竹本最高すぎる」


みんなを制服に着替えて、急いで帰っていった。



「美穂ちゃんも来るって言ってくれてありがとなー--」


竹本くんは、美穂のもとに来て、頭をポンポンとして、帰っていった。


『やばい、何着ていこう、、、』


18時半、美穂は焼肉屋さんへと到着した。


『ああああ、緊張する、、』


入ろうとすると、丁度竹本くんが出てきた。


「美穂ちゃん!!来てくれたー---しかも、なん可愛いワンピースとか鼻血出そう」


美穂は冗談だと分かっていながらも、喜んでいた。

中に入ると、既に優香たちが来ていた。


「美穂ちゃん早く早く!!えええ、可愛い!!狙ってきたやろー-」


「なんば狙うと!?」


「この体育大会で美穂ちゃんの人気度すごいばい」


「優香、馬鹿にすると止めてよー」



「よー---し!みんな集まって、もうジュースも届いてるかな!?乾杯といきますか!!!ここで乾杯の音頭ととってもらうのが、、、


美穂ちゃん!!


よろしくお願いしまーーす!!!」



「え、、、なんば言いよると、、、無理無理!!!」


「美穂ちゃんが頑張ってくれたけん、俺ら楽しい時間ば過ごせたとばい?ぜひよろしく頼む!!!」


美穂は深呼吸して、今までクラスメイトに聞かせたことのないぐらいの声量で話した。


「よし!!!皆さん、体育大会お疲れ様でした!仮装大会のまとめ役で、至らんとこもあったと思うけど、みんなの協力のおかげで、すんごい楽しかったです!このクラスで良かった!!乾杯!!!」


「「「乾杯!!」」」


「美穂ちゃんありがとう、あんな声出るんや!」


『そう言われると恥ずかしくなってきた、、、』


みんな焼肉を頬張りながら、体育大会の話や、今後の勉強の話。男子の中では、クラスで一番誰が可愛いか、の話。女子の中では恋バナが始まっていた。


美穂は周りを見渡しながら、頑張って良かったな、としみじみ感じていた。

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地味ガールの恋 璃々花 @riri0404

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