コンクール後と言えば…

「吹奏楽部のみんなはコンクールお疲れ様やったな。実を言うと、、、本当は俺は朝も昼休みも放課後も、受験勉強に励んでほしかった。まぁ、他の部活は早くに引退しており、吹奏楽部は引退が遅い。そのため、俺は焦りを感じていたが、顧問の先生から頼まれてな、、、。これからは、気を引き締めて、受験勉強に励んでほしい。他の奴から遅れんようにな!」


コンクールの翌日。


ホームルームにて、真美の担任の先生から話があった。

吹奏楽部は他の部活よりも遅くに大会があったため、他の生徒よりも勉強が出来ていない状態であった。



これからが本番となってくる。



「真美ちゃん、お疲れ様やったねーー!!これから一緒に頑張っていかんばね、受験勉強!っていっても、うちのクラス、まともに勉強しよらんけん、安心して」


休み時間、真美の友人である優香が真美の机に来て、話しかけてきた。


「お、優香ありがとう!!まじで、焦るっちゃけど、、、みんな勉強しとらんって言いながら、勉強しとるパターンやろ?分かっとるとやけんね!優香もそうやろ!?あははは!!」


「まじでしてないけん、安心して、あはは!あ、次、数学やん、またね、真美ちゃん」



真美はレベルの低いクラスではあったが、クラスの上位ぐらい、数学は得意であった。答えを導いていくのが好きのようだ。



「はい、間宮。ここ、答えて」


「あ、はい。xの二乗+2y、、、あ、、=3」


「よし。吹奏楽部やったけん、意地悪して間宮に当ててやった、よう出来とる」


「はい」


『なんで当てると、、、もう、吹奏楽部やけんって当てんでほしか』



真美はクラスで目立ちたくない地味ガールであるため、答えるのは好きではない。



数学の授業が終わり、その後も古文、現代文、生物、と授業が続いた。



やっと昼休みになったと思うと、担任が教室にやってきた。


「もうすぐ9月になるということで、10月は体育大会がある。ここに資料置いとくけん、誰か配っとって。帰りのホームルームで説明するけん、簡単に目を通しておくように」



「配りまーす」


クラス委員の男子がプリントを配布した。



プリントの中身は、体育大会での係決め、また、3年生恒例の仮装対決に関する内容であった。



「真美ちゃん、ご飯食べよ」


「うん。コンクール終わったと思ったら、次は体育大会の話になるとか、忙しかねー。それで、勉強せろって、地獄や」


「真美ちゃんのそういう毒舌好きよ」


「毒舌でもなかやろ!ふふふ。ただの文句やし。仮装対決とか見とくだけで楽しか」


「でも、卒業前の楽しい行事ばい?ここは楽しまんば」


「ほんとやね、、、卒業とかの話せんでよ、優香。早かって」



二人は体育大会の話をしながら、昼休みを過ごした。


優香は元気な女子。地味ガールの真美とは正反対ではあるが、真美の毒舌キャラにはまったのか、一緒にいるようになった。真美は仲良い友人には、毒舌らしい。




帰りのホームルーム。


「みんな、体育大会のプリントは読んでくれたか?まぁ、早速色々と係を決めていきたいんだが、、、ここはクラス委員に任せるか。よろしく」


クラス委員である男子と女子が教室の前に来て、話し合いを進めていった。


「プリントを見た通り、まぁ毎年のように、今年も色分け。うちのクラス、8組は青組。一緒の青組は5組やんな。今日は、、、まずはうちのクラスの仮装大会の係決めして、あとは5組と話し合って、明日以降も係決めしていくってことで」


「えーーーと、、、仮装大会って、衣装とか音楽とか決めるとは女子になっていくやろうけん、女子担当がよかよね。今日は仮装大会の話し合いだけやったら、女子だけで集まって話しておくばい」


クラス委員が話す。


今日は女子だけで話し合うことにあった。


「じゃあ、女子は後ろに集まろ!」


真美のクラスは37名。一応ではあるが、理数科であるため、男子の割合が高く、女子は15名。


「仮装大会で決めるのは、、、まぁ、まとめ役が2名、衣装係が6名ぐらいおらんばよねー。テーマとかはみんなで決めていこ」


「まとめ役するよ!!!」


そう言ったのは、優香であった。優香は他の女子とも仲良く、社交的であるため、こういう係は自分から立候補する。まとめ役なんて、誰もが嫌うため、女子みんなは、ほっとしたことだろう。


「ね、真美ちゃんも一緒にしよう」


「え、、私!?優香、がちで言いよる!?私が出来るわけないたい!!」


他の女子も真美に話した。


「真美ちゃん、みんなも助けるけん、優香ちゃんと二人でしてもらったら、助かる!!女子人数少ないけん、みんなで頑張ろうで」

「うんうん、なんかあったら、優香に任せればいいとやん!!あはは」


「いい?真美ちゃん」


「うん、わかった、、頑張るけん。みんなよろしくね」


真美は優香と体育大会の仮装大会のまとめ役となってしまった。

その後は衣装係が決まり、放課後学習へと入った。


『あああああ、、、、最悪、、、まとめ役とか目立つやん、、、喋らんばやん!!こんな私が出来ると!!??』

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