31P ケルベロス

・分類

 魔獣

・出典

 ギリシャ神話

・概要

 ギリシャ神話の冥界神【ハデス】の配下で、言わずと名の知れた地獄の番犬。ラテ

 ン語ではケルベルス、英語ではサーベラスと呼称される。


 三つの首、蛇のたてがみ、竜の尾を持つ巨大な犬や獅子の姿をしている。ま

 た、【ヘーシオドス】は【神統記】の中では、五十の首を持ち、青銅の声で吠える

 恐るべき猛犬として描いている。ハデスに対して忠実で、死者の魂が冥界にやって

 来る場合にはそのまま冥界へ通すが、冥界から逃げ出そうとする亡者は捕らえて貪

 り食うと言う。普段は三つの頭はが一つずつ交代で眠り、残る二つの頭で常に見張

 りをしている。しかし、甘い物が好物であり、アイネイアースを連れたクーマイの

 シビュレーや、ペルセポネーに美を分けて貰いに行ったプシューケーはこれをケル

 ベロスに食べさせてやり過ごした。また、ヘラクレスによって冥界の外へと連れ出

 された時は、太陽の光に驚いて吠え、飛び散った唾液から実在する猛毒植物【トリ

 カブト】が生えたと言われている。


 ルネサンスの時代、【プラトン主義】の哲学者達は、ケルベロスを地獄における

 【三位一体】の象徴と解釈した。それによると、三つの頭はそれぞれ、「保存」

 「再生」「霊化」を象徴し、死後に魂が辿る順序を示すと言う。また、【悪魔の偽

 王国】ではケルベロスは地獄の勇猛なる侯爵【ナベリウス】の別名としてその名が

 挙げられている。また、ケルベロスはカトリック教会の【七つの大罪】において暴

 食を司る幻獣とされている。

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