概要
「ようこそ、最果ての園庭へ。君で――1万7217人目の到達者だ」
ごおんという鐘の音が響き、どこまでも真っ白な空間の中、目の前には執務机についたどこか聖職者を思わせるような服装の人物がいた。
声から男であるというのがわかるものの、その顔はフードの影になり伺うことができない。
男の背後には見上げる程の、それこそどこまで伸びているか判らないほどの大樹がある。枝葉は生い茂り、届くとも思えない程の先には小さく花実を結んでいるのも見る事ができた。
しかし、果たして自分はいつからここにいて、ここがどこで、何をしていたのか。
何もかもが靄がかかったかのように上手く考えられず、ただ呆然と目の前の男を見つめていた。
「ふむ、いつもと何も変わらないな。掛けたまえよ」
男の言葉と同時に執務机の前に木製の椅子が現れ
ごおんという鐘の音が響き、どこまでも真っ白な空間の中、目の前には執務机についたどこか聖職者を思わせるような服装の人物がいた。
声から男であるというのがわかるものの、その顔はフードの影になり伺うことができない。
男の背後には見上げる程の、それこそどこまで伸びているか判らないほどの大樹がある。枝葉は生い茂り、届くとも思えない程の先には小さく花実を結んでいるのも見る事ができた。
しかし、果たして自分はいつからここにいて、ここがどこで、何をしていたのか。
何もかもが靄がかかったかのように上手く考えられず、ただ呆然と目の前の男を見つめていた。
「ふむ、いつもと何も変わらないな。掛けたまえよ」
男の言葉と同時に執務机の前に木製の椅子が現れ
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