みなさんの中にも、こんな時間の流れ方をした瞬間、きっとあったはず。

このお話は、ざっくり言ってしまえば、主人公である高校生女の子とその幼なじみの戸塚くんがおしゃべりする。ただそれだけなのですが、吹奏楽・本・歯車・ピアノ・クレヨン……様々な物の名前が絶妙に散りばめられていて、那須さんだからこそ出せる雰囲気・世界観が、ここにあると思います。
それは特別とがったようなものではなく、みなさんの中でも流れたことがある時間の雰囲気……言い換えれば、懐かしいような、記憶の片隅にあった思い出がよみがえるような、そんな時間の流れ方が、ここにはあります。

きっとだれもが思い出を馳せることができる、そんなオレンジ色のお話です。

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