全ての生命は尊くて自由だ! シンプルで一番大切なことを教えてくれる物語
- ★★★ Excellent!!!
柊と樹は同性カップル。
でも、偏見に捕らわれることなく、自分たちの人生を大切に、誇り高く生きていました。
思いやりに満ちた二人の生活は愛に溢れて幸せいっぱい。
そんなある時、柊の体に異変が起こります。検査の結果に驚く二人。
なんと同性カップルでは考えることの出来なかった、妊娠、出産の道が開けたのです。当然戸惑いもありましたが、愛する人との子どもを授かりたい。その純粋な想いを胸に、柊と樹は妊活生活に突入します。
けれど、子どもを授かるということは、簡単なことではありません。それは異性カップルだって同じ。まさに授かり物なのです。
二人が辿る妊活生活、続く妊娠、出産は、家族内でも、会社内でも、様々な問題を巻き起こします。
それは体調の変化だけでなく、両親や会社の人など、身近な周りの人々の反応も含めて。
二人を温かく見守もってくれる人もいれば、好奇の目で見る人、心無い言葉を投げつけてくる人もいます。
時に安堵し、時に傷つき、時に奮起し……
同性カップルということで増えてしまう苦労もありますが、実は彼らの戦いは、どんな人々にも起こりえる出来事でもあります。
その一つ一つがとても丁寧に描かれていきます。
そして問題にぶつかる度に、二人は話し合い、互いを思いやりながら、一歩一歩前へ、少しでもより良い方向へと進んでいきます。
そんな二人の姿に、心の底から応援したくなります。
そして彼らの苦悩と、それを乗り越える姿に、自分自身の姿を重ねてしまうことでしょう。
悩みの無い人なんて、この世には一人もいません。
理不尽な言動に傷ついたことが無いという人も、いないと思います。
みんな抱えている物があって、それでもより良い人生を生きるために頑張っています。
彼らの生き様に込められているのは、作者様から私たちへの温かくも力強いエールだと感じました。
頑張る私たちみんなへの優しい励ましの言葉です。
全ての人が、自由に自分らしく生きる権利。
それは今生きている人にも、そして生まれ出る新たな命にも。
神々しいばかりの誕生シーンは圧巻です。
柊と樹の感動が、ストレートに胸に響いてきます。
生命の奇跡に出会えた喜びと癒しを、是非あなたも読んで体感してみてください。とても温かく幸せな気持ちになれますよ。