恋人である神岡樹と暮らし始めて5ヶ月目。
三崎柊は、ある違和感を覚えて病院へ。
そこで告げられたのは……え、俺、妊娠できる身体なんですかッ!?
ゲイカップルに突如現れた可能性に、彼らは挑んでいく。
けれど……どんなカップルでも、何かしら言われる言葉。
「普通じゃない親を持った子供は不幸」
その普通は、高齢出産だったり、不妊治療だったり、養子縁組だったり、どちらかがあるいはどちらも障害者だったり、色々だけど。
果たして「普通」ってなんだ?
可能性に挑戦して、挫折したり成功したり、結果を受け入れて、幸せになる。それが「普通」のこと、誰もが「手に入れられる」ことじゃないでしょうか。
努力だけではどうしようもないこともある。親のツケが、子供に回って苦しめることも、何かしらあるでしょう。
でもそれは、誰にでもその「チャンス」が与えられているから、なんだと思います。
子供に伝えるべきことは、誰もが「幸せになる」ことと、「チャレンジ出来ること」だと、思うのです。
そしてその為には、大人たちが失敗しても成功しても「チャレンジ」して、「幸せになる」姿を見せることなんだと思います。
三崎 柊くんと神岡 樹くんは、二人共スマートでいて、恋人同士です。
所が、柊くんは、いつしか愛する人の子を育める体になっていました。
愛あればこそでしょうか。
そして、医師の診察を経て、二人でがんばることになりました。
しかし、がんばる結果、我慢もしなければならないじれったさもありました。
それから、お腹に触れると愛を深く感じるようにもなって来ます。
ただ、周りの目は、冷たかったのです。
困難にあっても、二人でなら乗り越えられるでしょう。
ただ、お腹の命を考えると、心配です。
文体は、空間の魔術師と私が勝手ながら呼ばせていただきます。
絶妙な空行と改行により、新しさを感じました。
また、本作で、自身の妊娠生活を思い出し、いいことも笑い話も色々と呟いだものです。
お陰様で彩りのあるものとなりました。
同性だとか男性だとかは、関係ないと思います。
自由な彼らの新生活を応援しております。
作者様の愛溢れる作品だとも思っております。
是非、ご一読ください。
体の不調を感じていた柊は、医師から驚愕の事実を告げられる。なんと彼は、男性でありながら女性としての身体機能も併せ持っていたのだ。
愛する人との間に、新たな命を育むことができる奇跡。でも、前例のない妊娠・出産。世間の目は? 子供を幸せにできる? 何より、柊の身体は耐えられるの?
悩んだ末、出産することを決断した彼らだが……
さまざまな問題を乗り越える度、彼らの愛はより深まり、絆がしっかりと結ばれて行く様が素晴らしい。人を深く愛し、その相手からも愛される。それって凄いことなのだと、改めて思います。
だからこそ、同性同士であるというだけで否定したり攻撃してくる人の存在が、悲しい。
うん、別にいいんですよ。不自然だとか、気持ち悪いと思う人がいるのはわかります。感じ方は人それぞれ。
でもそれって、口に出して良いことでしょうか。人が人を愛することを責める理由になりますか?
愛する相手と共に生きる。それが当たり前に許される世の中であってほしい。
そう思わせてくれる、優しくて温かな作品です。
柊と樹は同性カップル。
でも、偏見に捕らわれることなく、自分たちの人生を大切に、誇り高く生きていました。
思いやりに満ちた二人の生活は愛に溢れて幸せいっぱい。
そんなある時、柊の体に異変が起こります。検査の結果に驚く二人。
なんと同性カップルでは考えることの出来なかった、妊娠、出産の道が開けたのです。当然戸惑いもありましたが、愛する人との子どもを授かりたい。その純粋な想いを胸に、柊と樹は妊活生活に突入します。
けれど、子どもを授かるということは、簡単なことではありません。それは異性カップルだって同じ。まさに授かり物なのです。
二人が辿る妊活生活、続く妊娠、出産は、家族内でも、会社内でも、様々な問題を巻き起こします。
それは体調の変化だけでなく、両親や会社の人など、身近な周りの人々の反応も含めて。
二人を温かく見守もってくれる人もいれば、好奇の目で見る人、心無い言葉を投げつけてくる人もいます。
時に安堵し、時に傷つき、時に奮起し……
同性カップルということで増えてしまう苦労もありますが、実は彼らの戦いは、どんな人々にも起こりえる出来事でもあります。
その一つ一つがとても丁寧に描かれていきます。
そして問題にぶつかる度に、二人は話し合い、互いを思いやりながら、一歩一歩前へ、少しでもより良い方向へと進んでいきます。
そんな二人の姿に、心の底から応援したくなります。
そして彼らの苦悩と、それを乗り越える姿に、自分自身の姿を重ねてしまうことでしょう。
悩みの無い人なんて、この世には一人もいません。
理不尽な言動に傷ついたことが無いという人も、いないと思います。
みんな抱えている物があって、それでもより良い人生を生きるために頑張っています。
彼らの生き様に込められているのは、作者様から私たちへの温かくも力強いエールだと感じました。
頑張る私たちみんなへの優しい励ましの言葉です。
全ての人が、自由に自分らしく生きる権利。
それは今生きている人にも、そして生まれ出る新たな命にも。
神々しいばかりの誕生シーンは圧巻です。
柊と樹の感動が、ストレートに胸に響いてきます。
生命の奇跡に出会えた喜びと癒しを、是非あなたも読んで体感してみてください。とても温かく幸せな気持ちになれますよ。
BLは初心者なのですが男性の妊娠と出産のお話という斬新なテーマに惹かれて読み始めました。
主人公の柊さんは、体調不良を起こした日の検査で女性としての機能を体に持ち合わせていることがわかります。そこで、パートナーである樹さんに妊娠の可能性があるなら挑戦したい――と、相談し……。
まず、二人の強い絆と信頼、愛し合う気持ちはまさに純愛!!作者様の筆力がとても高く、丁寧な文章と台詞が素晴らしいでしす。
二人で壁を一つ一つ超えていく様はとてもリアルで読みながら胸がギュッと掴まれるように切なくなりました。
その中で二人が愛を伝え合う台詞や、二人でたち憚る壁に立ち向かうときに紡ぐ台詞は読者の心を掴むこと間違いありません!!
気になる出産について……は、そこはぜひ本編を読んで楽しんで頂きたいと思います!
私は感動と癒やしで、幸せな気持ちでいっぱいになりました!
とてもおすすめの作品です。
ぜひご一読下さい。
私自身、本格的にBLモノを読むのは少ないのですが、本作品はタグにある通りにただのBLではありません。
男子が妊娠出産するテーマというのは、ある種タブーだと思います。本来、男子同士の恋愛には妊娠出産というものがありませんので、それゆえの深い繋がりが魅力だと思います。
にもかかわらず、そこに真っ向から本作品は切り込んでいます。もちろん、予想されるネガティブなこともばんばん発生します。
本作品での魅力は、そうした周囲の偏見に対して、どう立ち向かうのかにあると思います。
決して綺麗事だけでは進まないからこそ、一つ一つ課題をクリアしていく過程には、大きな共感と感動を得られるのではと思いました。
ただのBLとは一味違う、生々しいヒューマンドラマてんこ盛りの本作品。愛はタブーを乗り越えることができたのか、その結末を確認していただけたらと思います。
特に家族持ちの方には強くオススメします。家族持ちの方は、間違いなく泣けますよ!!
好きな相手との間に命を授かったら、それはとても喜ばしいこと。
頑張って出産して、夫婦力を合わせて育てていきたいですよね。
だけど身ごもったのが女性でなく、男性だったら?
このお話は女性としての機能が体に備わった男、柊と、その最愛のパートナーである樹の、出産物語なのです。
男が身ごもって出産。この前代未聞の事態に、二人はどう向き合うのか。
そして彼らの周りの人達は、これを受け入れてくれるのか。
状況が特殊ですから、理解が難しいのも仕方がありません。時には心無い言葉をぶつけられることもあります。
けど、誰かを愛する気持ち、授かった命を大切にしたいという思いが、間違っているはずがありません。理解者を増やしながら出産に向き合っていく柊と樹の様子を、時にドキドキ、時にキュンキュンしながら、見守っていきましょう。
三崎柊と神岡樹は、男性同士のカップル。互いに少し変わったところはあれど、仲睦まじく交際していましたが、ある時柊さんの体に異変が。
大事になってはいけないと思い病院で検査したのですが、その結果、大変なことが判明します。なんと柊さん、男でありながら、子供を産める体になっていたのです。
男性同士のカップルですので、子供を作るつもりはなかった、というかそもそも選択肢の中に入っていなかった二人はもちろん戸惑います。
あとこれは、自分の意見ではありますが、子供を作ることが、必ずしも幸せの最善手とは限らないとも思います。ですが実際に子供を作るかどうかはそれぞれの判断次第だとしでも、その選択肢が増えるというのは、とても素敵なことだと思います。
もちろん出産となると大変なことも多いですし、男同士となると、世間の目も気になる。ならば、せっかく得たチャンスを使わずにいるのか。
悩む二人ですが、これって多少の違いはあれど、親になろうとする人達なら、誰しも似たような壁や不安を抱えることがあるのではないでしょうか。
そんな、右も左もわからないまま、少しずつ親になる準備をしていくという、純粋な出産子育てものとしとも、とても魅力的なお話です。
果たして二人の選ぶ道とは。そして選んだ先には、どんな展開が待ち構えているのでしょうか。
会社社長の男性は、愛した人を失い、生きる希望を失っていた。そんな会社社長の男性の恋人になったのが、本作で会社社長の子供を産むことになる男性だ。
新しく恋人になった男性は両性具有で、女性の出産機能まで持っていたのだ。深く互いのことを信じ、愛し合う二人は、やがて子供を授かり、このことを会社に公表することを決意する。しかしそこにはもちろん、このことを良く思わない人間もいて……。
そんな中、二人は妊娠、出産を、両家の親に説明しに出向く。男が出産することや、将来生まれてくる子供の未来について意見が交わされたが、二人はなんとかこの関門を潜り抜ける。
そして、やがて破水して出産を迎えることになったのだが……⁈
男性の妊娠・出産がテーマの本作だが、人間としての絆が描かれています。
妊婦さんの苦労や、出産時の体の仕組みなどが詳しく記載され、作品にリアリティがありました。
終始幸せで、心強い雰囲気で満たされ、ちょっとした棘も、深刻な部分も、互いの絆で乗り越えていく二人の姿に感動しながら拝読しました。
テーマで二の足を踏んでいる方にこそ、読んでほしい一作でした。
是非、是非、御一読下さい。
深く大きな愛情がたっぷりの、ドタバタハートフルドラマです。
作者の他の作品で、無事に幸せいっぱいのカップルになった、柊と樹。
男性同士のカップルに対する心ない偏見などにも負けず、愛にあふれた毎日を送っていました。
そんな中、柊の体調に変化が…
これは、もしかすると…?
パートナーとの心と身体の触れ合いに始まり、妊娠・出産・周囲の理解など、たくさんの課題・懸念が二人に訪れます。
でも、愛にあふれ、何かあれば真摯に話し合うことのできる二人なら、きっとどんな困難も乗り越えられる。そう思います。
これ以上ないくらいの幸せをつかもうとしている彼らを、全力で応援せずにはいられません。
日々の生活の中で忘れそうになる、大切なことをたくさん教えてくれるドラマです。
ぜひぜひ、いつも懸命な二人のこれからを見守ってくださいね♡
病気ではないのに疲れやすく、頭痛がひどくなったり気分が落ち込んだりする。そんな症状を生理前に体験する女性は多いと思います。産む性ゆえの悩みについて近年は理解が広まってきているものの、男性が完全に理解するのは容易でないかもしれません。しかし、本作で取り上げられる妊娠・出産は、年齢や性別を問わず多くの方から共感を受けやすいものになっています。自身の妊娠を希望するのは男性ですから。
なーんだ、BLか。オメガバースはちょっとねぇと退散しそうになった貴方! 一旦手を置きましょう。本作はBLという括りで終わらないジャンルなのです!!
恋人が世界で一番好き。好きな人とずっと一緒に暮らしたい。できることなら、好きな人の子どもを産みたい。それはカップルの望む家族計画。どうです? 見守りたくなるラブストーリーでしょう?
妊娠可能の体になった柊に、樹は彼をどう支えていくのか。
胸きゅん要素あり、ハッとさせられるセリフあり。妊活というテーマに対し、真摯に挑んだ作品です。